美琴ちゃん、大丈夫?

「おっはよ〜ぅ!」

優花が元気に挨拶すると、教室のみんなも口々に挨拶を返す。

「おはー!」

「おっすー優花」

「柊さんもおはよ〜」

私もすんなり挨拶を口にする。

「おはよ。」

「「「…」」」


…あれ?



みんなが黙って私に注目してる。



「今日も美しいね…柊さん…」

「可愛い…本当に生きて動いてるの?奇跡か?」

「100年に1人…いや、10000年に1人の奇跡の美少女…どけよ羽根村、柊さんが見えねーだろ」

「えぇ!ひどい!」


みんなが謎に平伏してハハーッてしてる。


「美琴。こういうときはみんなの頭を踏んでグリグリして、『これがいいんだろ!?』って言うんだよ」

優花が耳打ちする。

「え、そうなの?」

みんなの頭踏むなんて気がひける…


「おい優花、てめーなんてこと柊さんに吹き込んでんだよ」

「そうだよ、それどこのSM女王だよ!」

「柊さんも真にうけないの!」

「う、すいません」

「あはは!柊さん素直すぎるだろ〜」





…こんな風にクラスの子達と話すようになったのは最近のこと。


これまでは1人で行動することが多かった私。
それが当たり前だったから、そんなに辛いと思うことはなかった。唯もいたし。


それでも、

『ねーねー柊さん。私、羽根村優花!お友達になろー!』

優花が声をかけてくれたときは素直に嬉しかった。



「なんだよーぅ、みんな喜ぶと思って言ったのにぃ!」

「んー、確かにちょっと喜ぶかも?」

「ほらー!あはは」



私は優花のことを尊敬してる。


優花はその明るさとノリの良さで、誰とでもすぐに仲良くなれる。




…私も優花ぐらい明るい子だったら、時山くんとも仲良くなれたのかな。
< 8 / 189 >

この作品をシェア

pagetop