振られた私を御曹司が拾ってくれました。


「と…と…とりあえず、何とかなりましたね…」


リビングは、私達の頑張りで、かなり整頓された部屋に生まれ変わった。
時間を見ると、すでに日付は変わっている。


幸い良かったのは、桐生さんは一人なので、使っているのは自分の部屋と、リビングだけだ。そのため、客間などほかの部屋は綺麗なままなのだ。


「葉月さん、清水さん、助かりました…客間を自由に使ってください。よろしければ清水さんも泊ってください。」


この家はかなり部屋数があり、客間もいくつか用意されている。
さすがに疲れ切って疲労困憊の清水さんも、今日はここに泊らせてもらうことにした。
車も駐車場があるため、問題ない。


私は2階の突き当りにある、一番広い客間を使わせてもらうことになった。
壁の2面が大きな窓ガラスになっていて、かなりお洒落なつくりの部屋だ。

自分の荷物を片付ける力は残っていない。
その日はベッドに倒れ込むように眠ってしまった。
恐らく清水さんも同じだろう。


< 65 / 128 >

この作品をシェア

pagetop