【書籍化&コミカライズ】離縁前提の結婚ですが、冷徹上司に甘く不埒に愛でられています(離婚予定の結婚なのに〜)
もとより永斗社長の幼馴染みであることが、ここへの入社のきっかけらしいけれど、それを差し置いても彼のエグゼクティブ対応は誰もが認めている。
三十四歳という若さでありながら、漆鷲グループの秘書たちの統制をはかり、管理、監督をしている秘書統括責任者という立場にあるエリートだ。
関連する事業もろとも、全てをフォローしつつ、弊害にならないようサポートがこなせるのは彼しかいない……という満場一致の意見が上層部であがったらしい。
「――ということで」
一通り説明を終えた室長は、ゼネラルマネージャー――改め、島田さんのシャープな肩に親しげにポンッと手を乗せた。
「――三ヶ月間、島田が引き受けてくれることになったから、よろしくね。みんなの知っての通り、島田は永斗坊っちゃんの専属だから。場合によっては島田の手が向こうで必要になることもあるわ。協力してね」