秘書室の悪魔とお見合いをしたら〜クールな秘書と偽装結婚することになり、いつの間にか愛でられていました〜
「こっちの気も知らずに、いつもヘラヘラ笑って……人の心ばかり騒がせて……――ほんと、人騒がせな人」
髪にするすると温かい何かが触れて、それがとっても気持ち良くて……意識がどんどん遠のいていく。
きもちいいな、ずっとこうしていたい……。
クリス、ごめんね。
この先、この関係がどんな結果になろうと、彼の手を取ったことを後悔しないと決めている。
もちろん、期限までになにも変わらなかったらって、思わないでもないけれど。
どんなことがあっても、私の気持ちはずっとずっとこの腕の中にあると思うから――。
翌朝、とんでもないことになっているとは知らず……私はうっとりとその温もりに身を委ねたのだった――。