秘書室の悪魔とお見合いをしたら〜クールな秘書と偽装結婚することになり、いつの間にか愛でられていました〜

 不器用だけど、一途に、一心に、求めてくれるあなたに。

 心を掴まれてしかたないのは、私のほうだ。

 きっとこれからも、ひとつ、またひとつ日を重ねるごとに、

 執念深い私の気持ちは、深みを増していくだろう。

 なんたって、五年前からずっとずっと、そうだから。

「こら、ニヤニヤしてなに考えてるの」
「ふふっ……大好き、智秋さん」

「……好きじゃない。愛してるだろう――」

 笑い合って、抱きしめ合って、繋がって、またキスをする。

 ダークスーツの似合う、辛辣で美しい悪魔の素顔が、こんなにも甘くてオトコの顔をしているということは……私だけの秘密だ。



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