秘書室の悪魔とお見合いをしたら〜クールな秘書と偽装結婚することになり、いつの間にか愛でられていました〜


 ――そうして翌日クリスが晴れやかに帰国し、翌週から智秋さんはフーズの永斗社長の専属秘書に戻った。
 それからお互い仕事に邁進しながらも以前のような生活リズムを取り戻し、しばらくのこと。

 定例の月イチの本社秘書室全体の早朝ミーティングのあと。

 私はようやく、みんなに報告することができた――。


「ぬわぁに〜〜?! 結婚式ーー?!」
「ほんとうに……?」
「國井ちゃんの妄想じゃないよね……?」

 その場を借りて、出来上がった結婚式の招待状を配布するなり、安定の愉快な仲間たちが、みんな大喜び……じゃなくて大騒ぎしはじめた。

「おいおい、これは夢か!? あいつが黒のスーツじゃなくて白のタキシードを着るのか……? 坪井!」
「くるしっ、藤森さん、黒の可能性も……あるかとっ」
「どっちでもいいけど……挙式とかぜんぜん神聖なイメージがつかないわ」

 まぁ、なんとなくこうなるのはわかっていたけれど……。

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