クールな美形王子の誘惑



「……あ、でも、
大好きなあずがせっかく、『行かないで』って言ってくれたけど…
それはちょっと、無理でして…」




スマホの時計を確認する梓くんに、申し訳なさが汗となってドバッて出てきた。




「わ!ごごごめん!!
あの、もう帰ってこないものだと思ってたから言っちゃっただけで!全然、行って大丈夫だから…!」




長話させちゃって、時間も迫ってたんだろう。


学校で梓くんが乗った車に乗ってた、おそらく梓くんのお父様とお母様がそわそわしながらこちらの様子を伺っていた。




「……本当はあずと離れたくないけど、
行ってくるね。

毎日電話するし、
早めに帰ってくる。

帰ってきたら、一番にあずに会いに行くから、
……浮気しないで待っててね」



「1ヶ月で浮気なんてしませんよ!?」




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