【電子書籍化】いきおくれ令嬢は、クールな騎士様の溺愛に翻弄されています


この時間だけは唯一ゆっくりできるのだ。もちろん、お菓子を作ったのと同様にお茶も私が淹れる。


今回のマロンミルクティーは、上に乗せられたクリームが特徴的だ。とは言っても、紅茶自体は至って普通。


アッサムの茶葉をティースプーン二杯ポットに入れ、三分半蒸らす。

砂糖とミルクをお好みで足して、ティーカップに注ぐ。

そして、別で作っておいたクリームに、潰してペースト状になったマロンを混ぜる。

少し固めに作ったクリームをティーカップに注いだ紅茶の上に絞り出し、最後に飾りのマロングラッセを真ん中に乗せて完成。


味はもちろん、見た目も可愛くて甘さたっぷりの紅茶だ。

おかげでソフィアから、とても美味しいと言ってもらえた。


仕事のことを忘れて、フル回転していた頭を休ませながら、ティーカップを口元に運ぶ。

少しだけ傾けて口に含むと、甘さが口いっぱいに広がった。


──疲れが和らぐわね。

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