輝きのままで
確かにそれはある。

私も高校までは共学だったが、男子を大嫌いだっただけでなく、女子とも、大学の友人のようにさっぱりした良い関係とは言えなかった。

こちらは名前も知らない男子が、私のことを悪く言っていたということを、半笑いで私に伝えてきたのは、他でもない当時の女友達。

私が知らないままでいた方がいいようなことを、どうしてわざわざ言うのかな…と密かに思ったのも事実だ。

シュウジは、基本的に同じ学校の女子の話をすることはない。

それが気遣いなのか、無意識なのかはわからないが、そんな彼に安心しているのが本音だ。

この安心がダメなのだろう、本当は。

彼の気持ちを知っていながら、いつまでも待たせてはいけないということも判っているのに…。
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