【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 ティーカップを置いたわたしは、三人にそう伝えた。

「姫が選んだ人です。自信を持ってください」

 ルイトさんは、わたしに笑顔を向けてくれる。

「ありがとうございます。……では、皆さんにこれを」

 わたしはカバンから封筒を三枚取り出す。

「姫、これは……?」

 カルナさんからそう問いかけられる。

「この封筒を、今から皆さんにお渡しします。封筒の表には、皆さんの名前が書かれています」

「名前?」

「はい。……その封筒の中の一枚に、わたしが結婚したい相手にメッセージを書きました。そこにメッセージが書かれている人が、わたしの結婚相手です」
  
 わたしは一人ずつ、封筒を順番に手渡していく。

「……なるほど」

「この封筒の中に、カルティナ姫の結婚する相手が……」

「書かれていれば、それが結婚相手ってことだな」

 わたしは「はい。その通りです」と返事をし、改めて「封筒を開けるタイミングは、皆さんで決めてください」と伝えた。

「じゃあ、せーので開けるか」

「そうですね」

「そうしましょう」

 アレンさんの一言で、三人は一斉に封筒に手をかけた。

 ーーーいよいよ、運命の時がきた。 
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