【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


 そして二十一歳になって間もない頃に【それ】は起きた。

「あ、危ない……!!」

 レイリア王国から徒歩で三十分ほどの距離にある隣町、サルビア王国に買い物に出かけたわたしを待っていたのはーーー。

「え?……っ!?」

 歩行者用の青信号を渡るわたしの前には、暴走したトラックがすぐそこまで迫っていた。
 そして咄嗟のことで、トラックを避けきれなかったわたしはーーー。

「きゃあああああ……!!」

 そのままトラックと接触し、事故に遭ってしまった。

「っ……」

 すごく痛い、身体が動かない。意識が薄っすらとで……何も分からない。
 わたし……一体どうなったの? え、わたしもしかして……死ぬの?
 本当に、死んでしまうの……?

「すいません!急いでください……!!」

 どこかの女性の声が、近くでちょっと聞こえる。

「カルティナ姫、大丈夫ですか!?」

 身体を揺らされて声をかけられるけど、意識がボーッとしてしまってうまく答えられない。
 なんか……すごい血が出てるし。 ていうかわたし、すごく血まみれなんだけど……。

 そして薄っすらとした記憶の中で、わたしはついに意識を手放したーーー。
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