【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜


「僕たちはここまで切磋琢磨しあって戦って来ましたので、もし姫との結婚相手に選ばれなかったとしても、僕たちは後悔はしません」

「……ルイトさん」 

 ルイトさんは優しい人だ。わたしの気持ちを組んでそう言ってくれるのだから。
 三人の中の誰かを選ばなければならないという状況の中で、わたしはものすごく重圧を感じていた。
 
「カルティナ姫との結婚は、僕たちの人生の中で一番の幸せになると思います。でも僕たちの使命は、あなたを幸せにすること。……なので僕たちは、あなたを幸せにすることだけを考えています」

 そんなことを真剣な顔で言われたら、わたしはどんな顔をすればいいのか分からなくなってしまう。
 
「……ありがとうございます。そんなことを言っていただけて、嬉しいです」

「僕たちの愛は、゙本物゙ですよ?」
 
「……本物?」

 本物、か。 確かにこの結婚は、わたしからしたら【政略結婚】というものになるのだろう……。
 だけどルイトさんと話していると、そんな感じに聞こえないから不思議な気持ちになる。

「そうです。あなたへの愛に嘘偽りはありませんので、どうぞご安心ください」

 嘘や偽り……。
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