お館様の番選び
朔様
学校がお休みの日、朧はお館様について一族の仕事を学ぶか、わたしと一緒に番選びのための時間を過ごす。

そのスケジュール調整も父から教わり任されていた。

次の休日は番選びのために空けてもらっていた。

だが、番選びを嫌がる朧をどうやってその気にさせるか…頭が痛い。

わたしたちの獣人の町で出来ることは全てやった。

神社の奉納物保管所に納められているものの中に番はいなかった。もちろん新たに納められたものもすべて確認している。

たまにお館様について仕事を学んでいる時に異性と知り合うこともあるが、朧に目をやっても首を振って番ではないことを伝えてくる。

一体、朧の番様はどこにいるのか……。
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