僕は彼女をまだ知らない。
数時間後
彼女は目を覚ました。

彼女は僕を見るなり驚いた表情を見せる。
思った通りの反応だ。
無理もない起きた瞬間いきなり目の前に知らない男がいるのだから。

「あっ、この近くで倒れてたのを見つけて
ここまで…」

僕は一応事情を説明する。

「あっそうなんですね。
ありがとうございます。
すみません。ご迷惑を」

彼女は僕に向かって大きく頭を下げた。

「いえ!」

「あの〜なんで外に出てたんでしょうか?」

僕は彼女に問いかけた。

「雪が好きなんです。ずっとここにいたら見れ
ないでしょ。だから調子のいい日はこっそり
外に出て見に行くの。」

思ったよりも単純…と思ってしまったことは
言わないでおく。

「でもバレたら…ていうか
今日みたいな発作が起こったら危ない
じゃないですか。」

「そうだね〜多分これからすっごい怒られると
思う。でもスリルがあるじゃん。
それが楽しいんだよね!
ずっと病院の中じゃ何もできないし
今日はいつもより調子良かったんだけど
な。」

彼女は笑って見せる。
彼女のその笑顔は何故か憎めない
初めて会ったあの時とはまた違った
輝きだった。
彼女はきっと誰よりも人生を楽しんでいる
僕にはそう思えた。

それから少し彼女と喋った。
彼女との時間はあっという間で
ふと窓の外を見ると明るかった空が
だいぶと日が落ちてきていた。

「あの〜そろそろ帰りますね。」

「そうだね、だいぶ長く喋っちゃった」

「じゃあ。」

そう言って帰りかけた時

「あ、ちょっと待って!」

彼女に呼び止められた。

「また来てくれない?」

彼女のその言葉に僕は驚く。

「あなたと喋るの楽しいから。
ここだとずっとひとりで話し相手いないの
お願い!!」

彼女は顔の前に手を合わせ、じっと僕を見つめる。

「わ、分かりました!!」

そう言った瞬間彼女は子供のように喜んだ。

「ありがとう!じゃあ水曜日この時間
に!」

「はい。」

彼女とそう約束し、僕は病室を後にする。
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