本気の恋を、教えてやるよ。




「おーい、なんでそんなテンション低いんだよ?折角の遊園地なのに」


おーい、生きてる?もしもーし。なんて言いながら俺の目の前で手を上下に振る壱人。


──壱人の言う通り、今日は稲葉が委員会活動の一部として企画したイベント日だ。


プロトタイプとして同期だけがこうして集められ、周りはいつもより浮ついた雰囲気を漂わせる顔見知りで溢れてる。


あれから、稲葉とは全く連絡を取っていない。


俺から連絡をすることもなければ、向こうから来ることも無く。


思えば、いつも先にメッセージを入れていたのは俺だったかもしれない、と今更思い知らされる事実に思わず苦い笑いが零れる。


「帰りてー……」

「まだ始まっても無いけどな」


仏頂面すんなよ、と呆れたようにため息をつく壱人。


壱人も最近の俺と稲葉の様子が変だということに気が付いてるのか、そこに触れることがない。……ま、昼も一緒に食わなくなったもんな。




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