角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「それで、心臓あたりがすごくぎゅーってなって……」


最近、動悸が激しい気がして……。

心臓あたりが苦しいって、これって。


「もしかして……私、病気なのかなぁ?!」


うそっ、やだ……。


「私、もっとたくさんやりたいことあったのに……お菓子作ったり、食べてもらって嬉しい顔みたり……好きな人に憧れたり、少女漫画みたいな恋もしてみたいって」

「ちょっと瑠衣、落ち着いて……」


夢は人一倍あったのに、それもう全部できなくなっちゃうなんて……


「私っ……死んじゃうのかなぁ?!」


だけど、つばきちゃんはポカンとしていた。


そのあとに、プッと吹き出して。


「妄想を広げてるとこ悪いけど、それ全部違うから」


たったそれだけの言葉で私の不安を吹き飛ばす。


「全然、一ミリもかすってないから」

「ええ……?」


じゃあ私、病気じゃない……?


それならこの苦しみは一体なんなのかな。


「まあでも、病気の一種みたいなものかなぁ」
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