角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「ふーん、そっか」


少しムスッとした声が落ちてきたあと、先輩は顔を逸らす。


「あ、あの、先輩、私が勝手にクラスメイトにお菓子あげたこと怒ってますか?」

「……」

「で、でも、必要なくなるより誰かに食べてもらった方がお菓子も喜ぶと思うので……」


黙り込む先輩に次々と言い訳みたいなことを言うと、「じゃなくて」と顔をこちらへと戻した先輩。


「瑠衣が男にお菓子やるから」

「……へ?」


私が、男の子にお菓子をあげるから……?


「で、でもクラスメイトですよ」

「クラスメイトでもなんでも俺以外のやつが瑠衣の手作りのお菓子食べるとか嫌なんだよ」


えっ、先輩、どうしてそんなこと……。


「ごめん、妬いた」


ムスッとしながら、次々と言葉を言う先輩。


「瑠衣のお菓子を俺以外のやつが食べたとか考えるだけですげーむかついた」

「えっと、あの……」


やいた? むかついた? 先輩は、一体なにを怒っているの……。
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