初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜




 新田さんは口を半開きにして目を見開き、ただこちらを見上げていた。
 私はニッコリと微笑み、静かに口を開く。



「恋をしたことないなんて、可哀想な人」



 本当に、心から同情する。


 私の言葉で何故か新田さんは、耳と目尻をじわりと赤く染めた。
 怒らせてしまったのかもしれないが、学内は広いしもう会わないだろうからどうでもいい。
 

 私は友人にごめん帰ると謝り、その場を後にした。
 空気を悪くしてしまったかもしれない。後で改めて連絡しよう。


 蒸し暑い繁華街を歩きながら、私はくるはずもない彼氏からの連絡を確認し、一人ため息を吐いた。
 


 
 

***
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