これが我が一族の能力〜鎌倉時代編〜


景時さんに抱かれたあとも景時さんは何故か私のそばにいた。



「明里ちゃん!」
「景時さん……な、何の用ですか?」



景時さんはにっこりと微笑むと私を抱き寄せた。



「やだっ景時さん!やめて」



私が抵抗すると、景時さんは言ってきた。
「弁慶に知られてもいいの?」って。



景時さんは卑怯だ。
私が弁慶さんを好きなのを知ってる癖に!



弁慶さんに知られたくない私は景時さんに抱かれつづけた。
それからしばらくして、戦が始まった。



「ねぇ、明里ちゃん。今回は俺に同行しない?」



景時さんがいきなりこんなことを言ってきた。
しかしその目は、拒否したらどうなるかわかってるよね?と言っているようだった。



今回、景時さんが危険なのは私もわかってた。
だから弁慶さんも反対してたけど、九郎さんが許可したものだから、渋々私を送り出した。
私の何かが行くなって、危険って言うけど、行かないわけにもいかず、私は景時さんについて行く。




私は景時さんに同行し、生田の方へ向かった。
最初はそうでもなかったけど、段々私たちがおされ始めた。
けれど私も簡単にやられるわけにはいかず精一杯戦った。
このままじゃ消耗するだけだから、一旦森の外まで私たちは引いた。
それから、立て直し、私たちは再び生田の森へと向かう。
そして、私たちの前には……『平知盛』が現れた。
私は景時さんたちと共に彼と戦いなんとか勝てた。



「はぁ、はぁ、はぁ……」
「大丈夫かい?」




景時さんの労りの言葉さえ、私には苛立った。



「大丈夫です」




そう言って景時さんの手を払いのける。
すると。
景時さんは、目を細めて私にしか聞こえない声で言ってくる。
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