もう一度、その声が聞きたかった【完結】
(圭介 side)

それから1番聞きたかった彼女との出会い。

「大学時代に彼女は?」

『大学1年の夏、一緒に俺の地元の花火大会に行ったんだ。
そこで地元の同級生の南玲奈(ミナミレナ)と偶然会って、一緒に来てた玲奈の大学の友達がさくらちゃんだった。
それからしばらくして、圭介とさくらちゃんは付き合い始めた。
あ、ちなみに玲奈は今度俺の奥さんになる人なんだ。』

「それが彼女との出会いだったんだな…。」

『えっ、さくらちゃんのことは覚えてるのか?』

「いや、覚えてない…。
今回の事は彼女を助けたのがきっかけで起きた。
彼女から聞いた話だと大学時代に交際していて別れてからは会ってなかったが
1ヶ月ぐらい前に仕事関係で再会したらしい。
それも含めて彼女に関係する記憶がないんだ。
自分の生い立ちや日常生活、会社のことは覚えてるのに、彼女の事だけ…。」

『さくらちゃんとついに会えたのか…。
しかも大阪に居たんだな。
圭介は覚えてないだろうが、さくらちゃんと別れてからの圭介は本当に見てられなかったよ。
振られて傷付いて…しばらくは荒れてたな。』

優希の話を聞いて彼女との別れが
そんなにショックだったのかと衝撃を受けた。

だから彼女は思い出さなくていいと言ったのだろう。

「彼女と別れた理由って?」

『詳しくは知らないんだ。
圭介はただ振られたとしか言わなかったから。』

「優希の奥さん…玲奈さんは彼女と友達だったなら何か知ってる?」

『あぁ、実はあの頃の圭介には言わなかったんだけど…さくらちゃん、圭介と別れてからすぐ大学を辞めたんだ。
玲奈も理由は知らなくて、それ以来さくらちゃんとは会ってないし連絡もとってないらしい。
私はさくらちゃんからの連絡を待つだけだと…。』

大学を辞めて、友達とも…。
彼女に一体なにがあったんだろう。
俺たちが別れた理由が分かれば…。
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