もう一度、その声が聞きたかった【完結】

(圭介 side)

突然、激しい頭痛に襲われた。
頭がクラクラして視界がチカチカする。
慌てて階段に座り、落ち着くのを待った。


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''さくら…
オレ以外の前でお酒飲むの禁止な…"

バスタオルに包まる彼女が顔を赤らめて
恥ずかしそうにこっちを見ている。

ーーーー


そんな光景が頭に浮かんだ…。


「えっ…」

目の前が真っ暗になる。
彼女との思い出が頭の中を駆け巡る。

同時に胸がドキドキして
体中が温かい気持ちに包まれた。


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浴衣姿の彼女が泣きそうな顔をしながら俺の前から去っていく。
俺の手にはさっきまで握っていた
彼女の手の温もりが残っていた。

''さくらっ"
俺は彼女を呼び止めたがその声は届くことはなかった…。

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ハッと目を開けた。
BARの扉を前に階段に座っている。

ほんの数分の出来事だった。

俺の頬には涙が流れている。


「さくら…」


体が一気に疲労感を感じる。




俺は思い出した…全部。