もう一度、その声が聞きたかった【完結】
目が覚めると寝室には日差しが入り
時計を確認すると正午前だった。

隣にはぐっすり眠っている彼。
彼の腕が私のお腹に周り
身動きが取れずにいた。

「勇人、起きて…」

『ん…』

「シャワー浴びてくるね」

ベッドから立ち上がる私を
彼の手が制止する。

『俺も入るから、お湯はりするよ。
さくらはベッドで待ってて。』

「うん、ありがとう」

なんだか少し拍子抜けした。
彼は至って普通だった。

彼と一緒にお風呂に入り
遅いランチを食べる。

私はずっと話を切り出すタイミングを伺うが
彼には事あるごとに上手くかわされて
話をさせてくれないのだった。
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