日直当番【完結】
「さっきから何をキョロキョロしているんですか?」

「いやあ…だってさ…」

 相々傘。

 でしょ。

「一応高校生だし、男女だし、こういうとこを誰かに見られたら誤解されないかなあ…って」

「相々傘くらいで付き合っていると誤解するような考え方は非常に安易です。事実、僕たちは付き合っていません」

「ちょっと、今『相々傘くらいで』って言った?相々傘は女の子なら誰もが持ってる憧れでしょ」

「ほう、知りませんでしたね。あなたがそんな乙女思考だったとは」

「失礼なやつだな。私だって女の子ですぅ。どうせ小学校低学年男子とか思ってるんでしょ。へっ」

「ははは、まだそんなこと覚えてるんですね」

「笑うな」

 私の左隣にいる進藤くんを横目で見た。フツーに笑う進藤くんを初めて見たのでちょっとびっくりした。

「そう言えばあと1週間で中間考査ですね」

 そう言えばそうだった。いつもなら部活をしてから帰るところだけど、今日からテスト週間に入るので部活停止だ。

「勉強はしてますか?」

「……今日から始める」

「本当ですか?毎日今日から始めると言いながら、結局やらないという人もいますが…」

 うっ、それ私だ。

「わ、私はちゃんとやるもん。どうせ進藤くんは今回も1位なんでしょ」

「さあ、どうでしょう?」

 本当は自信満々なくせに、進藤くんは少し首を傾げて目だけ私に向ける。
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