日直当番【完結】
「うへへマジかよ」

「ゲスイ笑い方すんな!」

「なぁなぁ、おまえらなんか芽生えちゃった?」

「なんかって何ですか。僕は何もしてません」

「うそだ!私の服脱がそうとしたし裸で私の前に出てきたじゃん!」

「いやん、進藤くんのエッチ~」

「神崎さん、語弊を生むような言い方をしないでください」

「進藤ってさ、意外と、うへへへへへ」

 また皆川がニヤニヤ笑う。

「皆川くんはなんなんですかさっきから。だいたい僕が神崎さんに手を出すなんてありえませんね」

「うっさい!いやらしい目でじろじろ見てたくせに!」

「僕はいやらしい目でなんて見ていません。自意識過剰です」

 進藤くんの眼鏡が次第にくもり始める。

「あーうっさうっさい。年頃の女の子は繊細なのよ。あんたみたいな男には分かんないよ」

「僕だって年頃の男子です。あなたに分からないことはいろいろあります」

「どういう意味さ」

「はぁ。僕をあまり喋らせないでください。のどは痛いし眼鏡はくもります」

 進藤くんは眼鏡を外してポケットからハンカチを取り出した。

「おまえたち見てるとおもしろいな」

「「おもしろくない」です」

 ガラガラ。

「みんなおはよう!!」

 池上先生が教室に入ってきたので私たちの会話はそこで途切れた。
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