ユダの巣窟

僕は元々孤児|《みなしご》であり、今日をも生きるのに精一杯な親戚に預けられ、僕もまた、生きるのに必死だった。

親戚の家は乾燥地帯で、今年は凶作であったがためにあちらこちらで物価が高騰(こうとう)し始め食べるものがほとんど消え去った。

僕たちはいつも町の真ん中、噴水広場(と言っても既に干からびているが)に集まり今日はどんなイタズラをしようか、とかかけっこしたり、その辺に生えてる草をおやつに食べたりしていたが、1人、また1人と姿を見せなくなった。
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