理想の恋愛    〜高校生編〜
 改札を出て、カフェに入った。
「ところで、お名前、なんでしたっけ?」
「えー、覚えてないの?」
「ごめんなさい。気が動転してて。」
「中西飛雄馬(ひゅうま)。17歳。高校2年生。朝日大学附属高等学校。」
 朝日大学附属高等学校は御坊ちゃまの通う高校だった。
「おぼっちゃま?しかも、同じ歳ですね。」
「そう。おぼっちゃま。落ちこぼれの。」
「どういう意味?」
「兄貴が出来がいいから、俺なんて、親の眼中になし。」
「あー、そうなんですね。」
「まあ、その話はやめて、くるみは県立高校だね。」
「そうです。」
「同じ歳なんで、タメ口でいいから。」
「いや、私にとって恩人なんで。」
「恩人なんて程のことしてねぇし。」
「痴漢から助けてくれたのもそうですけど、助言をくれました。だから感謝しかありません。」
「そうなんだ。」
 ひゅうまくんは照れてる様子だった。
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