ゆるふわな君の好きなひと
君の反抗

 ホームルームが終わって日直の号令がかかると、由利くんはすぐに立ち上がって、誰よりも早く教室から出て行った。

 今までの由利くんは、眞部くんが迎えに来るまで机に伏せてグダグダとしていたのに……。

 わたしと保健室で険悪な雰囲気になったあの日から、由利くんの態度が変わった。

 以前の由利くんは、わたしが机のそばを通りがかると声をかけてきたり、制服をつかんで引き止めてきたりしていたのに……。

 最近は声もかけられないし、目も合わない。

 わたしのことなんて見えないみたいに、徹底的に無視されている。

 窓側の前から二番目の由利くんの席。それを眺めてため息を吐くと、出て行った由利くんと入れ違いに眞部くんが教室のドアから顔を覗かせた。


「あれー、また圭佑いない……」

 無人の席を見て、眞部くんがガクッと肩を落とす。

 由利くんの態度が変わったのは、わたしに対してだけじゃない。

 ここ一週間くらいは、眞部くんや璃美のことまで避けているみたいだ。

 登下校も別々にしているみたいで、由利くんの遅刻が目立つ。

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