ゆるふわな君の好きなひと

圭佑(けいすけ)は、極限まで眠くなると表情筋死ぬんだよ。眠いときは怖いくらい無表情。迷惑かけてごめんね」

 璃美に呼ばれて由利くんを保健室まで迎えに来た眞部くんが、笑いながら教えてくれた。


「ありがと。青葉と寝るの、すごい気持ちよかった。あったかくて」

 眞部くんに保健室から引っ張り出された由利くんが、にへらっと笑いながら、聞きようによってはかなり誤解されそうなことを言うから背中から変な汗が出た。

 何もなかったとわかってくれていると思うけど、それを聞いた眞部くんと璃美が微妙な顔で苦笑いするからめちゃくちゃ恥ずかしい。


「つーちゃん、由利くんに気に入られちゃったね」

 眞部くんに連れられてにこにこと去って行く由利くんを見送っていると、璃美が眉尻を下げながら微妙そうに笑う。

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