ゆるふわな君の好きなひと


「どうしたの?」

 首を傾げてみせたら、青葉が「どうしたのじゃないよ」と、ムッと頬を膨らませる。


「由利くん、また体育サボってたでしょ」

「体育は男女別なのに、よく気付いたね」

「別だけど……。今日は男子も女子も外で授業だったから、由利くんがいないのなんてすぐ気付いたよ」

「おれのこと探してくれてたの?」

 ふっと笑いかけると、青葉の頬がちょっとだけ赤くなる。


「そ、そういうわけではなくて……! 心配してるの! いい加減ちゃんと出ないと、単位足りなくなっちゃうよ」

 静かな声でこんこんと諭してくる青葉は、おれのことを心配してくれているらしい。

 嬉しいけど。でもなー。

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