龍臣先輩は今日も意地悪


「ま、咲結が足はやいこともわかったし。体育祭は安心だな」



「…なんのことですか?」



「体育祭は体育祭だよ。今日もそのための集まりでしょ」




体育祭。


…完全に忘れてた。もうそんな時期じゃん。




私たちの学校は例年6月に体育祭、夏に修学旅行、秋に文化祭がある。




気づけばもう6月中旬。体育祭はたしか6月末。


っていうかもう2週間切ってる…?



「今年は1,2組は赤団。だから俺ら一緒の団ってこと」


「え、それ嘘ですよね?」


「こんな嘘つかないよ、ちなみに団長俺ね」





「…いやそれはさすがに嘘ですよね?」

「だから本当だってば」




私は2年1組。龍臣先輩は3年2組。



先輩が言ってることが本当なら、先輩が団長を務める赤団に私も在籍することになる。





「嘘じゃん…」




先輩と仲がいいことなんて絶対知られたくないのに、団が一緒なんて絡まれるに決まってる。





先輩のファンにばれたら私どうなる?


いじめられる?刺される?もう終わったよ、これ。





「色別対抗リレー、赤団2年生女子代表就任おめでとう」



「は!?」





龍臣先輩のセリフについつい先輩相手なんて忘れて反応してしまった。

いやでもそんなこと言ってる場合じゃなくってさ。



< 86 / 155 >

この作品をシェア

pagetop