幼なじみの一途な狂愛
「梨々香ちゃーん、これはー?」

「あ、そこに置いててくれたら後はゆっくり整理するから!」
「了解ー!」

次の日━━━━━━

スグル達四人が手伝ってくれ、あっという間に引っ越しが終わった。

「みんな、ありがとう!」
梨々香が、乙哉達五人にペットボトルを渡しながらいう。

「どういたしまして~」
「梨々香ちゃんって、意外に荷物少ないよな?」
「そうかな?」
「女ってさ!服とか多いじゃん!」
「あー、でも私は、そんな沢山買えるようなお金ないし……」

「課長に買ってもらったりしなかったの?」

「え………」
「悟史!!!」
「あ、ヤバッ!!ご、ごめんね!梨々香ちゃん!」

「あ…ううん!
私が断ってたの!だって…お金で買われてるみたいで嫌だったから!私はそんな安くない!!ってね(笑)」
バツの悪そうな悟史に、微笑み言う梨々香。

「俺が買ってやる!!」
「乙哉?」
「梨々の好きな物、何でも買ってあげるから!」
「フフ…いいって!自分の物は自分で買います!
だって、ここの家賃……」

「だから!金は一切いらないっつっただろ?」

「梨々香ちゃん、乙哉にもっと甘えて買ってもらえば?」
スグルが言う。
「え?」
「乙哉、スゲー金持ちだよ?」

「いや、それは…このマンションを見れば一目瞭然……」

「でも、このマンション、乙哉のだろ?」

「へ!?そうなの!?」
「あー、まぁな!」
貴生の言葉に、梨々香が驚き乙哉を見上げた。

「あ、そうだ!!」
梨々香が荷物をごそごそする。

「これ、手伝ってくれたお礼!」
乙哉達にプレゼント渡す。

「梨々。
もしかしてさっき、これ買いに行ってたの?」
乙哉がプレゼントを受け取りながら言った。

「うん。だって、引っ越しだよ?
しかも、昨日突然頼むなんて……!
スグルくん達、忙しいのに……」

実は荷造りをしてもらっている間に、少しだけ買い物に出た梨々香。
乙哉達に、プレゼントを買いに行っていた。

「いいのにー
でも、ありがと!」
「梨々ちゃんって……」
「律儀だよなぁー!」
「乙哉が惚れる理由わかるかも?」

「当たり前だろ?
梨々は、顔だけじゃなくて、心も可愛くて綺麗なんだよ!!」

中身は“携帯灰皿”だった。

「みんな煙草吸ってるから、迷惑ではないかなって思ったんだけど………」


「やっぱ、梨々……最高!!!」
梨々香に抱きつく、乙哉。

「ひゃぁっ!!ちょっ…急に!抱きつかないで////!!」
慌てて押し返そうとする、梨々香だった。
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