幼なじみの一途な狂愛
大学一年の頃を思い出す。

あの時はほぼ毎日のように、こんな夢を見ていた。
楽しかった頃の乙哉が出てきて、最後は必ず“バイバイ”と言うのだ。

永遠に会わないと言ってるような表情(かお)で。



部屋を出て、キッチンに向かう。

「お!梨々、起き━━━━━てか!どうした!?
凄い汗!!」


乙哉はここにいる━━━━━━

大丈夫……ここにいる。

梨々香は無言で、乙哉に抱きついた。

「梨々?どうしたの?」
乙哉が抱き締め返し、背中をゆっくりさする。

「………夢を…見た、の……」
「そう」
「恐ろしい夢。
もう…語るのもおぞましいくらいの………!」

「マジで!?
ゾンビでも出てきたの(笑)?」

「ううん。それよりも恐ろしいよ……」

「マジか!!?怖っ!!」
「でしょ?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「━━━━━あと…は、チョコ!
よし!乙哉は、何かある?いる物」
二人は、買い物に出ていた。

「俺は、煙草」
「ねぇ、乙哉」
「ん?」
「煙草、ちょっとは控えたら?」

「やっぱ、そう思う?」
「うん。乙哉がいなくなったら、今度こそ……」
「え……梨……」

「次、私を一人にしたら、私、死ぬから!!」

そう言った、梨々香。
レジへ向かう。

どうして梨々は、俺を狂わせることをサラッと言うんだろう…………

そんなこと言われたら━━━━━━━

タタタ……と足音をさせ駆けていき、乙哉は梨々香を後ろから抱き締めた。
「ちょっ…/////乙哉!!離して!!」

乙哉から離れようともがく、梨々香。

「放さねぇ…!!!」
「ちょっ…乙━━━━━」
「俺は一生……梨々を放さない!!」

「乙哉…」

「大丈夫だよ」
「え……」
「俺が死ぬ時は、梨々も連れて逝くから」

「乙…哉…」
「俺はね。
“俺が死んでも、梨々には生きててほしい”なんて思わない!梨々が嫌がっても、連れて逝く!
例えそこが天国でも、一人にしない!」


手を繋いで帰路につく、二人。
「乙哉の手……大きいね」
「そう?」
「見て。私の手、すっぽりだ!」
「フフ…ほんとだ!ちっちゃ!」
「し、失礼なっ!!」
「てか!梨々、痩せた?」
「え?少し……」
「ちゃんと食ってんの?」
「食べてるよ」
「ほんとかよ!?
…………まぁ、いいや!今日からは、俺が管理すりゃあいいし!」

「はい?私、乙哉に管理されるの?」

「そうだよ!梨々のことは、ぜーんぶ!俺が世話してやる!!」
「私、乙哉の子どもじゃないし!」

「まぁ、確かに(笑)」
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