幼なじみの一途な狂愛
その次の日……乙哉が梨々香の会社に朝一に連絡をし、梨々香は退職させられた。

今、梨々香はマンションに軟禁状態だ。

「梨々。
絶対に外に出ちゃダメだよ?」

「乙哉、お願い!!もう…約束破らないから!」

「ダーメ!!
外に出る時は、俺と一緒じゃなきゃ認めない。
例外も存在しないよ」


「乙哉、お願━━━━━━━」

「もし!!!」

「え……」



「一歩でも外に出たら、梨々を殺して俺も死ぬ」



「梨々には無理だもんねー
俺を犯罪者にするようなこと、できないでしょ?」

本当、恐ろしい男。

「それにー
梨々もまだ、死にたくないでしょ?
俺と一緒にいて、もっと愛されたいでしょ?」


恐ろしい、男だ━━━━━━━━



いっそのこと、私が乙哉を殺して私も死ぬ?
そうすれば、私が犯罪者で終わりにできる。


でも…………

乙哉を殺すなんて、できるわけない……!


できるわけがないのだ━━━━━━




「梨々、俺はね?
俺のこれからの人生を梨々に捧げること………
全く、惜しくないんだよ?」

そして今日も狂う程抱かれ、乙哉の腕枕で頭を撫でられている梨々香。
乙哉は、ゆっくり語りかけるように言った。



「だから、梨々も……
俺にこれからの人生……ちょうだい!」






10年という月日は、乙哉を狂おしく、恐ろしく変えてしまった。


最初はただ……

“また、会いたい”と思っただけだった。

そして、再会して………

“放れたくない”と願ってしまい、

“恋人になりたい”と乞い、

“独り占めしたい”と縛ってしまった。



本当に純粋な思いだったはずなのに、いつの頃からか狂気が混ざり込んで乙哉を侵していった。






これからも二人は……
お互いを一途に愛し、お互いに狂愛する━━━━━━





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