慶ちゃんが抱いてくれない!





っつーか、付き合ってるわけじゃないのに俺達は何なんだ。





……真穂の事を好きなのは認めるが今は付き合えない。





結局、南條と二人で職員室へノートを提出しに行く事になってしまった。





「おー、二人共ありがとうな」

「いえいえ~」

「昼休みに悪かったな、戻って……あ、そうだ!あとこの模型を二人で理科準備室に持って行ってくれないか?」



先生は急に思い出したように机の上に置いてあった今すぐに準備室に戻す必要も無さそうな変な模型を差し出してきた。




「はぁ?まだやらせんのかよ?」

「全然いいですよ~!慶次君行こ~」


南條は俺の言葉に被せるようにしてそう言うと、模型を先生から受け取った。


理科準備室へと向かう途中も、南條がペラペラと話し掛けてくるのを適当に相槌を打って流し続けた。



「慶次くーん!模型ここ置きたいのに、届かなーい」



南條はわざわざ高い棚の上に模型を置こうとしていて、背伸びをしていた。



「別にそんな高いところに置かなくてもいいだろ…」

「だってここに置いてあったの見た事あるし、こういうのは元あった場所に戻さなくちゃ」



俺は南條から模型を取って、棚の上に模型を置いた。




「…すごーい!慶次君背高いもんね」




模型を置いて、振り返ると突然南條がバンっと俺の顔の横に手をついた。




「ウォ!?な、なんだよ?」

「……慶次君」





南條は所謂壁ドンの様な体勢で、下から大きな瞳で覗き込んで来る。


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