慶ちゃんが抱いてくれない!




しかし、既に俺の両隣りを女子が二人陣取っている。



真穂のおばあちゃんの呪いめ!!




「あー…悪い。ちょっとトイレ行ってくるわ」




我ながら良い作戦だ。



一度席を立てば、戻ってきた時はさり気なく違う席に座れる。



俺は特に行きたくないが部屋のトイレに行って、何もせずにすぐにトイレから出た。




トイレから出ると、小山が真穂の隣りに座ってひたすら話しかけているのが見える。




その光景を見ると、イラッとした。




俺は小山がいない方の真穂の少し隙間の空いた隣りに無理矢理入って座る。





…真穂連れて部屋出るか。






「あ、慶ちゃん!今ね、みんなでトランプのゲームしようって話してたんだよー」




真穂はこうして大人数でわいわいする場が久しぶりで嬉しいみたいで、嬉しそうに笑っていた。




そんな笑顔を見たら…外に連れ出しにくい。



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