慶ちゃんが抱いてくれない!




でも、私は慶ちゃんの事が大好きだから……付き合ってもらえないからキスしてくれるならそれでも良かった。



だから謝られると……



「……ん」



堪えきれなくて、涙が溢れてくる。



「真穂?…何で泣いてんの?」

「……ヒックッ……うぅー…慶ちゃんのバカぁ!ヤリチン!」

「ヤリチンって、そういう事はしてないだろ!?あー…でも、マジでごめん…。あぁいうのは断りにくいよな……」


慶ちゃんは私の涙で濡れた頬を指で拭った。




「………話ってその事なの?」

「いや…本題はそれじゃない…」





そう言うと、慶ちゃんはすごく真剣な表情で私の目を真っ直ぐ見た。






「俺……子供の頃からずっと真穂の事好きだ……俺と付き合ってください」




「………」





慶ちゃんが言った言葉を理解するのに時間が掛かって私は固まっていた。




「…真穂?聞いてる?」

「待って……?本当に?ずっと振られてたもん」

「振ってたのはごめん……でも俺も真穂の事ずっと……好きだった」


私は慶ちゃんに抱き着いて背中に腕を回した。



「慶ちゃん…ギュッてして?」

「は?こう…?」



慶ちゃんは私の要望通りにギュッと抱き締めてくれた。



「慶ちゃん」

「ん?」

「私……慶ちゃんの彼女になっていいの?」

「なっていいっつーか……なって欲しい」

「でも私……慶ちゃんと付き合ったら死ぬまで一緒にいて欲しいって思っちゃうよ?」

「死ぬまで一緒にいるから問題ない」

「あの……私魔女だから……」

「そんなの昔から知ってるよ……俺と付き合いたくない?」

「付き合いたいっ!」



もう…嬉し過ぎて涙が止まらなかった。



慶ちゃんの腕の中で泣いていると、慶ちゃんは抱き締めながら私の頭をポンポンと撫でてくれた。

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