慶ちゃんが抱いてくれない!



「そうだ、武蔵君に修学旅行のお土産あるんだった」

「本当?なんだろ?」

「男の子にお土産って何がいいか分からなくて真穂と慶次君が頂いていてた小さい2つセットのお守り可愛かったからそれにしてみたんだけど」

「頂いていてた?」

「お守りって買うって言わないのよ?」

「へぇ、そうなんだ」


袋にセットで入ってたから開けずに持っていて、袋から取り出して見せた。


「……縁結び」

「え?」


袋を見ると真ん中に思い切り縁結びと書かれていて、小さい文字で2人の愛が永遠に続きますようにと書かれていた。

真穂が本体を持っていたのを見て即決して買ったから書かれていた事なんて一切見ていなかった。


小さいから2つ入ってるのかと思った。


今ってこんな御守りあるの!?


「違う……これ持ってくる物間違えたわ。武蔵君にお土産買った気がしたけどなかったわ」


私は急いで手で覆って隠した。


「楓ちゃんが言ってた通りの小さいお守りだったよ?」

「カップル用の御守りがあるなんて知らなかったの」

「ふはっ!カップル用でもいいよ?」

「カップルじゃないのに?」

「楓ちゃんが俺とペアで持っても良いなら貰いたいな」


武蔵君はふわっと笑ってそう言う。


武蔵君より200年以上も多く生きてるのに……男女関係に関しては武蔵君の方がずっとスマートじゃない?


そうよ……私ってば、言葉にいちいち動揺し過ぎじゃない?


私は顔をスンとさせて袋から御守りを取り出して水色の小さな御守りを武蔵君に差し出した。



「慶次君のとは色違うから」

「おぉ、ありがとう…大事にする。楓ちゃんとペアの御守りかぁ」

「可愛いから選んだだけだからっ」



う………喜んでいる武蔵君が可愛いくて……胸がキュンとしてしまう……。


ダメ……武蔵君の事私の呪いに巻き込みたくないって決めたんだから……。


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