慶ちゃんが抱いてくれない!




ガラッ




「もう、男子がずっと話し掛けてくるから掃除の時間長引いちゃった。なになに?真穂のテスト結果?」




楓ちゃんが部室にやって来て、拡げていた私のテストの結果を覗き込んできた。





「へ~!真穂って結構勉強出来るのね?」

「楓ちゃん…真穂は慶次との事で浮かれてて勉強出来てなかったんだからね?そんな励ましの言葉掛けてあげなくていいから」

「えー?だって私より全部点数取れてるよ?」

「え……?」





楓ちゃんはそう言うと、通学鞄からテスト用紙を取り出した。



見ると…全部赤点!?





「テストの問題なんて大人になれば殆ど使わないからそんな深刻にならなくても大丈夫!私の場合、上手く追試もクリア出来るようにするしね」

「楓ちゃん……試験関連で魔女の力使わないで」

「え?どうして?私リアルな高校生じゃないし~」

「禁止……な?勉強なら見てあげるから」




武蔵君は楓ちゃんに何とも言えないような圧でそう言った。



「はい……って、武蔵君が勉強見てくれるの?それなら頑張れる気がするわ」




まさか…楓ちゃんが成績悪かったなんて知らなかった…。



そういえば勉強会の時は来なかったし、授業中も魔力で気配消してスマホとかいじってた気がする。



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