唯くん、大丈夫?
「あ、優花。髪にゴミついてる。」

「え?取って取ってー!」



美琴がクセの強い私の髪をすくって、丁寧にとってくれる。


…ほんと、美琴はきれいだな。

ふさふさのまつ毛は光に反射して、
控えめな唇は人工で作ったんじゃないかってくらい整ってて、
テレビで人気の女優さんなんかより可愛いんじゃないかな。



美琴の黒くてキレイなストレートヘアが肩からさらりと落ちた。


よく似た紫藤ユリアの黒髪を思い出して、ズキンと胸が痛む。



…私は、どうしてこんなにクセが強いのでしょ。



「はい、取れた」

「ありがとー」


その時、


「!?」


また視線を感じた。


なんというか

ぞわっとするような殺気



「どうしたの?優花」

「…なんか今日、変な視線感じない?」

「そう?」

「…」


そっか。

美琴にとって見られることは日常茶飯事。

別に意識することでもないのか。



「…ごめん、気のせいだ!はやく行こー!」

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