唯くん、大丈夫?
メッセージを送ってから3時間が経った。

どんなに目を凝らしてみても、メッセージの横に既読のマークはつかない。





「どうして…どうしてなの…」


「寝てんじゃないの」


「まだ9時だよ…?」




今どきの若者がこのゴールデンタイムにスマホ見ないってことある?


元々事務的な連絡ぐらいしか取り合ってなかったけど


唯くんは基本的にすぐ返信をくれていた。




美琴とユリアちゃんが嘘をつくとは思えないけど

会わない間に気持ちが無くなっちゃった、とか…

…やっぱりめんどくさくなった…?







「ア"ーーーーーーー」





ホラーゲームのモンスターみたいな低音ボイスが出て、咲優がビクッとする。



「なんなのほんと…いいからはやくお風呂入ってこいよ」


「ちゃゆぅぅぅううう!!もう駄目だ!私はもう駄目だ!!一人でお風呂なんか入ったらネガティブが加速して溺れちゃう!…そうだ、一緒に入ろう。昔みたいにタオルでクラゲさん作って遊ぼう!ね!」


「いつの話してんだブラコン!嫌に決まってんだろうが!死ね!」


「嫌だ!死ぬのは嫌だ!絶対に!」


「じゃあはやく風呂入れ!」


「それも嫌だぁぁぁぁちゃゆぅぅぅぅうううう」


咲優が抱きつこうとする私の顔面にうさぎを殴りつけているところで、玄関のドアが開く音がした。

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