唯くん、大丈夫?
全身から血の気が引いていく。

え、私どうなっちゃう?

このまま、ここにお泊まり?

無理無理無理無理、びしょびしょだしずっとこのままだったら風邪ひくどころか死んじゃうかもしれない


ぐるぐる考えても埒があかなくて、

カバンの中を漁ってみても使えそうなものはない。

持ってるあらゆるものを使ってトイレのドアの上に届かないかもう一度やってみるも、やっぱりダメ。

私は大人しく端っこに縮こまって救助を待つことにした。


嫌がらせされ慣れてる私でも、

さすがにキツいです。お手上げです。

はー…唯くん、私のこと待ってるかな?

…そんなわけないか。

いつも私が待ち伏せしててもスルーでスタスタ歩いてっちゃうくらいだし。



心も体も弱ってると、つい気持ちがマイナスになってくる。

唯くんを初めて意識した時も、こんな風に心が弱ってる時だったなぁ。

私は目を閉じて1年前を思い出した。
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