唯くん、大丈夫?
…何かがおかしい気がして、私の背筋にジワジワと不安感が募る。




「……ふー…ふー…」




おじさんの荒い鼻息が聞こえてくる。




「あ、あの、私やっぱり、」




私は振り返って、ヒュッと息を飲んだ。












「…ほら……ふー……ご挨拶なさい……ハァ」











おじさんの、







「ふー…はじめまし、て…ふー」








股間が露出してる。








「……っ!!」













変質者だ











私は腰が抜けて、その場にぺシャッと座り込んだ。








「あはは…座ってご挨拶してくれるなんて…っ最高ですね」





変質者はニタニタと笑いながらスマホを私に向けて撮影ランプを灯した。


引きずっていたはずの足を普通に歩かせて、こちらに近づいてくる。








最悪だ


気持ち悪い


気持ち悪い気持ち悪い


唯くんやみねくんに言われたのに


やっぱりどこかで『自分は大丈夫』ってたかを括ってた


怖い


どうしよう


体が動かない


逃げられない


助けて


助けて






唯くん、助けて
















「わぁ〜…いい顔ですね、可愛いメイドさん…ほら、握手しましょう…?」








そう言って変質者が私の手を引き自分の股間の方へと持っていこうとした、


「…やっ、」


その時












ッガシャァ…ン!!











突如、ガラスが割れる大きな音が図書室に響いた。
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