唯くん、大丈夫?
嬉しくないと言ったら嘘になる。

恥ずかしいけど愛の証って感じがする。

でも困る方が大きい。

髪があげられない。

ただでさえこの癖毛、セットが大変なのに!



「もぉ〜!」


私が涙目で唯くんをペシペシ叩いて怒りをあらわにすると、唯くんが「あ」と何か思いついて向き直った。



「じゃー俺にもつけて。」

「へ?」



また唯くんは突拍子もないことを言う。



自分のワイシャツのボタンをひとつ、ふたつ、外して、



「これでおあいこ。」



はい、とみっつめのボタンもあける唯くん。



「な、な、」



私は目の前のとんでもない光景に、咄嗟に顔を手で覆って指の隙間から覗き見た。



え、

エロ!

唯くんのシャツはだけた姿、エロ!



顔を覆ってる私の手を唯くんが簡単に剥がして自分の方に引き寄せる。



「唯くん!唯くん!君には恥ずかしいという感情がないのですか!?」


「どんな感じか知りたい。つけられる感覚。」


「え…えぇ…でも、でも、やり方よくわかんないし」


何より恥ずかしすぎて無理!無理無理無理無理!!


「口つけて軽く吸うだけ。はい。」


「え、え、」


「大丈夫。ここなら誰からも見えない。」



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