唯くん、大丈夫?
「付き合い始めた日!!」


「ご名答」

唯くんが口角を上げた。


そうだ、入試のことで頭がいっぱいだったけど、唯くんと私あれからもうすぐ一年になるんだ…!



「その時には試験も全部終わってるし、どっか行こ。」

「ぃやったぁー!!」

「行きたいとこある?」

「うーん、うーん、どこでも嬉しいけどなぁ、うーん…」

「んー…」


2人で顎に手を添えた同じポーズで考え込む。




やっぱり…




「「…デズニー…?」」




唯くんとハモって顔を見合わせる。




「…だよね!」

「だな」




唯くんとホワイトデーデートした、思い出のデズニー。

すっごく楽しくて、また行きたいねって話したデズニー。

制服を着て行けるのも、最後かも。



「唯くん!制服着て行きたい!」

「うん。いいよ。」



やった!やった!

唯くんとまたデズニーデートに行けるなんて!

受験が終わったあとの楽しみが増えちゃった!



「フフ、楽しみ〜!」



私がヘラヘラ笑うと唯くんも「うん」と穏やかに微笑んだ。



ぃよぉーし、デズニーを思い切り楽しむためにも、受験勉強、最後まで頑張るぞ!!



「おー!!」



私が突然拳を突き上げて自分を鼓舞する姿を、唯くんはまたやってんな、といつもの無表情で眺めていた。



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