唯くん、大丈夫?
「みね君のおかげだよー!みね君も志望大の模試あったよね?どうだった?」


「ん?んー、まぁ悪くなかったよ。多分余裕で受かっちゃうわ、俺天才だから!」


「またまた~。みね君は天才というより陰で真面目にコツコツ努力するタイプでしょー」


みね君が私の言葉を聞いてちょっとかたまる。


「…そこは『そうだね!みね君天才!惚れちゃう!デートして!』でいいだろーが」


「そうだね!みね君天才!惚れないけど!デートは嫌だけど!」


「上手に変換すな」


「よーし勉強、勉強!」


「くっそー、唯くんと別れたら絶対おっぱい触ってやる」


「ねぇ本当にやめて。別れないし。不快!セクハラ!」


「まぁまぁ。色々終わったら不快もセクハラもなくなるからさ。もう少し辛抱してよ。」


「ん?どういうこと?」


「だって受験終わったらもう会わないだろー」



みね君は何でもない感じで言って、机に教科書やノートを並べ始めた。



…そっか。

受験が終わったらもう、予備校にも来なくなるもんね。





「…寂しいなー」





せっかく仲良くなったのになぁ。
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