唯くん、大丈夫?

「うわぁ!!…て、委員長!いつの間に?」

朝日に照らされた委員長の眼鏡が眩しい。

…ん?お胸?

唯くんは無表情で何も言わない。



「おはよー。ちょいとお邪魔しますよー。九条くん、今日は登校中の歩いてるとこ撮らせてもらうね」



「…」



委員長がまたあの大袈裟な一眼を取り出して構える。


「い、委員長!危ない…!!」



そんなことしたら眼鏡が、カメラが叩き割られ…





「…」

バシャバシャ!


「はい、目線こっちね~」


バシャバシャバシャバシャ!



…ない?

眼鏡もカメラも叩き割られない…だと!?

それどころか唯くんが言われるままにカメラ目線をしてる!?


…あ、でも唯くんめちゃくちゃ嫌そう。

嫌すぎて歩くスピードが爆速だ。



それに当たり前のようについていって「あ、いいねいいね〜」とか言いながら撮ってる委員長、相当の強者。



「なに…?何が起こってるの?パラレルワールド?」


「それもこれも、羽根村さんのおかげだよ〜!あざーす!」


ひと通り撮り終えたらしい委員長が手を合わせる。


「えっ、私!?なんでなんで!?」
< 58 / 456 >

この作品をシェア

pagetop