唯くん、大丈夫?
元々奇跡みたいな話だった


唯くんみたいな見た目も中身も完璧にかっこいいヒーローの彼女になれるなんて


大好きで大好きで仕方ない人を彼氏にできるなんて


短かったけど嬉しかった


幸せだった


この思い出は一生の宝物


大丈夫


元に戻るだけ


少し前みたいに


モブ中のモブとして大好きな人の幸せを願って生きるだけ



大丈夫


大丈夫



何も 辛くない








いつもなら必ず一回はてらちんに当てられたりイジられたりするのに、今日は当てられることもイジられることもなく。


私は俯いててらちんのいつも通りすぎる気怠い声を聞きながら、

誰にも気付かれることなく、

静かにノートを灰色に染めていった。





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