唯くん、大丈夫?
……あれから唯くんとは会っていない。





会わないように、避けてる。


だって次会うときは、きっと、





「…っ、あー!ケーキ楽しみだなぁ!ね、美琴!」


「…うん」




私が不意に泣きそうになったのに気付いたのか、美琴がギュッと手を握ってくれる。



「…フフッ、美琴はイケメンだなぁ〜!美琴が男の子だったらすっごく素敵だろうなぁ」


繋いだ手をスリスリと頬擦りした。


「あはは、くすぐったいよ」




と、その時、背中に視線を感じた気がして振り返った。






…誰もいない。






「?」


「どうしたの、優花」


「ん?あー、なんでもない!」



気のせいだな、うんうん。
< 98 / 456 >

この作品をシェア

pagetop