ずっと探していた人は
【24日、お昼過ぎには練習終わるから、夕方からみんなでクリスマスパーティーしようぜ】

その日の夜、中川くんが1通のメッセージをグループトークに投稿した。

【しよーぜ!!】

私の既読と同時に、徹が喜んでいるスタンプと共に返事を送る。

「クリスマスかあ」

スマートフォンのカレンダーで日付を確認すると、クリスマスイブの24日までもう2週間だということに気が付く。

【いいよ~! どうせ暇だし】

【おい、暇だからとかじゃなくて、もっと喜んで参加しろよ!笑】

由夢からの返事に、徹が突っ込み、そのやりとりに笑ってしまう。

「どうしようかなあ」

今のところ、まだ涼くんからクリスマスの話は何もされていない。

何も約束をしていないっていうことは、涼くんは仕事なのかな……?
それともクリスマスは当然一緒に過ごすものだと思っている?

“お似合いだし、付き合えばいいのにね”

そこでなぜかふと、涼くんの発した言葉が頭の中に浮かび、大橋くんのことが気になった。

大橋くんは、花木さんと過ごすのかな?

けど中川くんがメッセージを送ったということは、野球部3人ともパーティーに参加するということなのだろうか。

大橋は不参加です、とか書かれていないし。

そこまで考えて、ふと、我に返る。

大橋くんが参加するかどうかなんて関係ない。

まずは涼くんにクリスマスの予定を確認しよう。

去年は私が尋ねなくても、涼くんから誘ってくれたな……、と一抹の寂しさを覚えながら、メッセージを送る。
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