ずっと探していた人は
エピローグ
6月下旬、応援席からグラウンドを眺めると、まるでスポットライトが当てられているかのように、太陽の強い日差しがマウンドに注いでいた。

「ねえ加恋、もうすぐだね!!」

由夢は興奮を抑えられないようで、横で立ったり座ったりしている。

「ほんとだね、楽しみだなあ」

公式戦は何度も観戦しているけれど、初めて公式戦を観戦する由夢と同じほど私も興奮していた。

だってー……。

「あ! でてきた!」

隣で由夢が指さす。

選手たちがグラウンドに出てきて一礼をし、それぞれの守備位置について練習を始めるとともに、応援席から大きな声援が飛ぶ。


背番号1番をつけてマウンドに立ち、足場をならすきみの姿を、私はまっすぐ見つめる。

公式戦初めての先発と、背番号1番。

大橋くん、今きみの前にはどんな景色が広がっていますか?
自分で勝ち取ったそのポジションから見るグラウンドは、どうですか?

大橋くん、私はきみに聞きたいこと、話したいことがたくさんあるよ。


「がんばれ」

大橋くんの努力が報われますように。
大橋くんが満足のいくピッチングができますように。

大橋くんは私の気持ちが届いたのか、大橋くんはマウンドから私の姿を見つけるとー……

かすかに笑みを浮かべながら、力強くうなずいた。



これから、きみと一緒に、夏の頂点を目指す戦いが始まる。
< 155 / 155 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで

総文字数/100,481

青春・友情146ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
出会いは最悪だった。 「俺はお前みたいな身勝手な女が一番嫌いやねん。  一生近づくな」 「安心して。  私、別にあなたのこと好きじゃないし、好きな人だっているから。  そもそも、あなたに興味すらないから」 苦手だった。 関わりたくなかった。 それなのに。 「……俺と付き合ってみる?」 失恋をした日、傍にいて私を慰めてくれたのは、あなただった。
きみがいる、この世界で。

総文字数/111,426

恋愛(純愛)119ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*2022.1.29〜 一部加筆いたしました。 一度読んでくださった方も、是非再度読んでいただけると嬉しいです^^ **** 「青春小説大賞2022」にて、 特別賞をいただきました。 読んでくださった皆様、 本当にありがとうございます。 この作品を読んで、何か少しでも、 皆様の心に響くことがあればとても嬉しいです。 **** こんな時でも、それともこんな時だからかな。 彼がくれた優しい笑みが、頭いっぱいに浮かぶ。 大丈夫だよ、 苦しい時は一緒にいるよ、 そう言ってくれた彼の笑顔が鮮明に蘇る。 会いたい。 彼に会いたい。 この先彼に会える可能性は限りなく低いかもしれないけれど、 可能性が少しでもあるだけで、 きっと私は ”生きる” という選択をし続けるのだろう。 ” 「『会いに来る』って言ってくれたんです。『絶対に会いに来るから』って……約束してくれたんです。私は彼がしてくれた約束を、どうしても信じたいんです」 ” ----- 本文中、”いじめ”と捉えられる描写があります。 ご注意ください。
夢を叶えた日、一番にきみを想う

総文字数/84,223

恋愛(純愛)125ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「尚樹!」 何度、名前を呼んでくれただろう。 あなたに名前を呼ばれたのはずっと前のはずなのに、 今でも満面の笑みで俺に呼びかけてくれるあなたの顔と声が、ずっと頭の中に残っている。 「私は夢を叶えに行ってくる。だから尚樹も、夢を叶えてね」 あの時の俺はまだ高校2年生で、 あなたが遠くに行ってしまう不安と寂しさに耐えることで精一杯だった。 それでも。 「沙帆ちゃん、夢を叶えるためのスタートラインに、立ちました」 もうあなたは傍にいないのに、 あなたに逢いたくて、 あなたに胸をはって逢いたくて、 確かに交わしたあの約束を果たすために夢へ手を伸ばし続けたと伝えたら、あなたはなんていうだろうか。 またあの明るい声で、ケラケラと笑うかな。 「2人とも夢を叶えたら、また逢おうね」 あなたがどこにいるのか、今何をしているのかもわからないけれど、 俺はこの約束を、今でも忘れられずにいる。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop